アーユルヴェーダ

2016年04月01日

アーユルヴェーダはタントラやヨガの分野において、自己の身体をホーリスティックに理解するためには欠かせない伝統的科学です。アーユルヴェーダとは文字通り「生命の科学」と訳されます。心と身体の全体的システムを科学的に解き明かしているその教えは、私達が自然から切り離された単なる物質ではなく、自然界と密接に関連した生き物であり、宇宙との調和を保ちながら肉体的、精神的、感情的にどのように自分と上手くつきあってゆくかを教えてくれます。

アーユルヴェーダで伝えられている三つのドーシャ「トリドーシャ:ヴァータ、ピッタ、カパ」のバランスを整えてゆくためにヨガアーサナシリーズがあります。ドーシャとは自分の心身の特質ではありません。これらが不調和である場合は心と身体の機能が崩れ、これらが調和している場合は生命活動が上手く維持されています。日本語で「気の流れを整える」とは、アーユルヴェーダ用語では「ヴァータ、ピッタ、カパのバランスを整える」となります。気(プラーナ)が人間の生命の基本であるように、トリドーシャは人間の生命活動としての肉体的、精神的、感情的な動きを司っています。人間の全体的な調和を保つためにヨガアーサナを行ってゆきます。健康な心と身体を維持するのはもちろんのこと、自己という生命体をより大きな生命体である宇宙の中で生かしてゆくこことにつながります。

トリドーシャのバランスは人によって違います。両親がどのような状態の時に生まれたか、どんな地域で生まれたか、どんな季節に生まれたか、何時に生まれたか、ありとあらゆる環境が自分のドーシャに関わってきます。そしてこの持って生まれたドーシャは、生きてゆく中で、住んでいる地域、季節、時間、年齢、行動、食事などによって左右されます。ヨガアーサナ、マッサージ、パンチャカルマ(五つのトリートメント)、食事療法、自分の行動の調整などによってバランスを整えてゆきます。アーユルヴェーダは、ヨギ、タントリックとして生きてゆくための土台です。