カリキュラム ⑤身体論 – 日本人の身体観|RYTヨガ指導者養成コース

2021年01月15日

シュリカリでの身体の学びについてご紹介します。

どの筋肉を鍛えるとあのポーズができるだろうか?

と考えてしまいがちかもしれませんが、ヨガのポーズは筋肉を鍛えるだけでは成立しえないのが事実です。筋肉も骨も神経もありとあらゆるものが統合されてポーズが気持ちよくできるようになってきます。

シュリカリでは、解剖生理学として筋肉や骨、神経の仕組み、呼吸の仕組みなどを学びます。機械的に見がち扱いがちなカラダですが様々なネットワークが協調し全体が作られています。

 

無意識とホメオスタシス

解剖の学びとともに忘れてはならないのが「無意識」の存在。

身体の内側は不随意である「自立神経系」によってバランスが保たれていることはみなさんもご存知だと思います。

無意識=心=気持ちと考えてみるとわかりやすいかもしれません。ネガティブな気持ちが土台になっていると自律神経がうまく働いてくれません。では、どうすればいいのか。

自分にゆっくりと時間を与えてヨガの練習をし、無意識からリセットしてゆくことが長期的に見た一番の近道です。そうすると、身体の調整メカニズムがうまく働き恒常性「ホメオスタシス」が保たれます。人間が元々持っている健康的な循環が回復してきます。

 

 

日本人の身体観

健康的な循環と並んで大切なものがあります。

折角ヨガをするならその経験をどんどんレベルアップしていきたいですよね。でも、あのポーズができるこのポーズができるというようなレベルの話ではありません。

別の言葉で言うと、「日本人の身体観」を取り戻してゆくとシュリカリでは考えます。

そんな身体観をわかりやすく説明しているのが次のお話

 

 

古池や蛙飛びこむ水の音 – 芭蕉

山折哲雄さんは、鈴木大拙さんによるこの句の解釈を次のように紹介しています。

蛙が池に飛びこむ音を聞いたとき、芭蕉はその蛙と一体化した感覚に包まれた。同時に、蛙の飛びこんだ姿と、池に飛びこんだことで生じた音によって、自分と宇宙とが瞬時に一体化した。そうした体験をこの句に込めたのではないかという解釈です。

一般にいわれることですが、外国の人たちは、自然と人間、あるいは宇宙と人間の関係を日本人は俳句というとても短い詩の形式の中で表現していると考えている。日本人の美意識がそこに凝縮して表現されている。

『宗教を知る 人間を知る』
河合隼雄、加賀乙彦、山折哲雄、合庭惇

 

 

心からの経験

日本の禅を海外に広めた人・鈴木大拙さんのこの解釈は、シュリカリでのヨガを通した身体の経験にもつながると思いご紹介させていただきました。

人は通常の肉体レベルの経験を超えて、その時の周りの空気や風景と一体化するような経験をすることがありますよね。自分が周りから分離したカラダを持っているのではなく周りと一体となったような体験。

これは、身体の筋肉や骨だけに注目していては味わえず、部分的なことにこだわっていては味わえず。

時間も空間もない「瞬時の一体化」

これは誰もが経験できる本来的なヨガの次元です。空中浮遊や別の世界に行ってしまうようなものでは決してありません。

この句のように一体化した幸せな「身体観」、ぜひとも心から経験してみてください。

 

(メインの写真はきみこさんの撮影。ありがとうございます。)

 

Shri Kali Japan
2021年 RYT 200&500 ヨガ指導者養成コース

◇ 3ヶ月土日祝日集中コース|和歌山市 5月〜7月
通学 9:30 – 17:30
和歌山市にて

◇ 20日間 密教の聖地「高野山」で宿坊合宿コース|8月〜9月
宿坊での合宿&オンライン
密教の聖地「高野山」にて

学びの全体像とコースの詳細は以下のページよりご覧頂けます。
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