「世のイロハに気づく」 − サードプレイス or ベストプレイス –

2020年04月20日

サードプレイスという言葉は聞いたことがある人も多いと思います。昔、私は大学でサードプレイスについて論文を書きました。人間の社会心理学的なことが関係してくるので結構面白いんです。とても簡単に述べると

1st ファーストプレイスは、お家。
2nd セカンドプレイスは、学校や職場などの生産的な場。
3rd サードプレイスは、人それぞれでもありますが、社交的な場であったり、自分で居られる場所。

昔は、地域の公衆浴場や床屋さんや道のたまり場、そんなところもサードプレイス。現代社会で代表されるサードプレイスはスターバックス。中年おじさんの居場所を作ってあげようということで作られた場所が今やみんなのたまり場所になったとも読みました。今では、ヴァーチャルな世界を自分のサードプレイスとする人も多いようですね。人間は、家でも職場や学校でもないところで、人とコミュニケーションをとったり自分を観察したりして自分を確立しようとしている、とも分析されるようです。人間のありようを論じるサードプレイス論にもなってくるので面白い。どんなに時代が変わっても、人が求めていることは同じ。

どこに住むか、どこで活動するか。それは大切なことでもありながら、結局のところ、場所が問題ではなくなってきたりします。

バガヴァンの言葉を思い出します。私がまだイギリスに住んでいて、イギリスに住み続けるか日本に戻るか考えていた頃。「イギリスには何も精神的な文化が残っていないけど、日本は伝統的なものも残り、いい国だよ」と日本の素晴らしさを思い出させてくれました。そして何よりも心に残ったのは。。。

「私にとっては、どこに住むかは問題ではない。私は哲学と生きているからどこにいても幸せ。」

ファースト、セカンド、サード、どこにいてもそこが「ベストプレイス」であれば良い。

昨今では、感染症の影響を受けて各国で外出が自粛されているので、Social Being としての人間の存在性が揺らいでしまって、ストレスもたまりがち。いろいろな場所で楽しく交流できる日まで、みなさん気をつけてお過ごしください。

(「世のイロハに気づく」シリーズでは、シュリカリを通して気づいた世の中のいろいろなことについて書いています。中口朋子)